医療の地図
新しい薬は、製薬会社が見つけて臨床試験を通し、自社の工場か製造を受ける会社で作って、卸が病院・薬局に届けます。手術の機械や検査の機械は、メーカーが病院に直接納めることが多く、売ったあとも器具や試薬で稼ぎ続けます。代金の多くを払うのは医療保険です。どの会社が流れのどこにいるかを1枚にして、段階ごとに世界の主な32社を並べました。地図の箱を押すと、その段階の会社に飛びます。
株価は10月30日の終値まで(市場ごとに最新の取引日)。所長の投資信託に入っている会社は4社です。投資の助言ではありません。
箱の中は各段階の主な会社。矢印は、薬や機器が流れる向きです。医療保険の矢印だけは、お金の向きです。薬の権利を買う会社は、開発の資金を出す代わりに、売上の一部を受け取ります。
薬の権利を買う
大学や製薬会社から、薬の売上の数%を受け取る権利(ロイヤルティ)を買う。開発の資金を出す代わりに、売れたら売上に応じて受け取る。自分では薬を作らない
ロイヤルティ・ファーマRPRX・米国
薬のロイヤルティを買い集める最大手
リガンド・ファーマシューティカルズLGND・米国
薬の技術を貸してロイヤルティを受け取る
新薬の会社
薬を見つけて臨床試験を通し、承認を取って売る。特許が切れるまでの十数年で開発費を回収する。肥満症の薬(GLP-1)が、いま最大の稼ぎ頭
- 中外製薬の2026年7〜9月期は、ロシュ以外からのロイヤルティ等が41億円から74億円に増えた。それでも通期予想の387億円には、10〜12月に230億円が要る。記事
イーライリリーLLY・米国
肥満症・糖尿病の薬(ゼップバウンド・マンジャロ)
ノボ ノルディスクNOVO-B・デンマーク
肥満症・糖尿病の薬(ウゴービ・オゼンピック)
ロシュRO・スイス
がんの薬と検査。中外製薬の親会社
アストラゼネカAZN・英国
がんと呼吸器の薬
メルクMRK・米国
がんの免疫の薬(キイトルーダ)
中外製薬4519・日本
抗体の薬。ロシュに薬を出してロイヤルティを受け取る
第一三共4568・日本
がんの薬(エンハーツ)
薬の製造を受ける
製薬会社に代わって、薬(特に抗体などのバイオ医薬品)を工場で作る。工場を持たない会社や、足りない分を外に出す大手が客
ロンザLONN・スイス
バイオ医薬品の製造受託
サムスンバイオロジクス207940・韓国
バイオ医薬品の製造受託
薬明生物2269・中国
バイオ医薬品の開発と製造の受託
医療機器
手術や治療に使う機械と器具。機械を1台売ったあと、手術のたびに使う器具や保守で稼ぎ続ける会社が多い
- インテュイティブ・サージカルの2026年7〜9月は売上30.5億ドルで前年比+22%、手術件数+15%。器具の使える回数を延ばして、1件あたりの売上を3〜5%下げる計画も出した。記事
インテュイティブ・サージカルISRG・米国
手術ロボット(ダビンチ)
ストライカーSYK・米国
人工関節と手術の器具
ボストン・サイエンティフィックBSX・米国
心臓と血管の治療の器具
メドトロニックMDT・アイルランド
心臓・糖尿病・脊椎の機器
テルモ4543・日本
カテーテルと輸液
オリンパス7733・日本
内視鏡
検査
血液などを調べる機械と、そのたびに使う試薬。機械は安く出して試薬で稼ぐ形が多い。研究所向けの機器と消耗品も
- シスメックスの中国向けの売上は、2025年3月期の1,180億円から今期予想の765億円まで縮んだ。ダビンチの競合hinotoriのメディカロイドに出資しているが、ロボットの売上は0.7%。記事
シスメックス6869・日本
血液と尿の検査の機械と試薬
アボットABT・米国
検査と医療機器と栄養
ダナハーDHR・米国
検査(ベックマン・コールター)と研究の機器
サーモフィッシャーTMO・米国
研究所の機器と消耗品
シーメンス・ヘルシニアーズSHL・ドイツ
画像診断(CT・MRI)と検査
卸と物流
製薬会社や機器の会社から仕入れて、病院・薬局に届ける。利幅は1〜2%台と薄いが、扱う金額が大きい。手袋やガウンなどの消耗品を自社で作って売る会社もある
メドラインMDLN・米国
病院の消耗品を作って届ける
マッケソンMCK・米国
米国最大の薬の卸
センコラCOR・米国
薬の卸
カーディナル・ヘルスCAH・米国
薬の卸と病院の消耗品
メディパルホールディングス7459・日本
薬の卸
医療保険
保険料を集めて、病院と薬の代金を払う側。米国では民間の保険会社が、薬の値段を製薬会社と交渉する会社(PBM)も持っている
ユナイテッドヘルスUNH・米国
米国最大の医療保険とPBM(オプタム)
CVSヘルスCVS・米国
薬局チェーンと医療保険(エトナ)とPBM
シグナCI・米国
医療保険とPBM(エクスプレス・スクリプツ)
エレバンス・ヘルスELV・米国
医療保険
株価は Yahoo! ファイナンスの日足(終値)。年初来は2025年の最後の取引日の終値との比較です。四半期の売上・営業利益率は、米国の四半期報告をSECに出している会社だけ、SECの決算データ(XBRL)から自動で取っています。所長の投資信託の組入は2026年9月30日時点。灰色の囲みは、このブログの記事で読んだことで、出典は各記事にあります。