SKハイニックス(000660)の7〜9月は営業利益率80%。10月30日のキオクシアの会社予想79.5%は、同じ値上がりの中にある


SKハイニックスが10月28日に、2026年7〜9月の決算を出しました。韓国のメモリの会社で、DRAMとHBM、NANDを作っています。

この決算を、2日後の10月30日18時45分に決算を出すキオクシアの側から読みます。キオクシアはNANDの専業で、7〜9月の会社予想は売上が前の四半期から+35.2%、営業利益率79.5%です。この予想が高すぎるのかどうかを、先に数字を出した同業で確かめます。それと、SKハイニックスはキオクシアの株を持っていた側の会社でもあります。

使ったのは、SKハイニックスの決算の発表文(PR Newswireで配信された英語版)、SECに出した2026年1〜6月の半期報告(6-K)、キオクシアの決算説明会の資料と質疑応答集、それと株価です。

7〜9月の数字

  • 売上: 104.6兆ウォン。前の四半期から+32%、前年同期から+328%。四半期で初めて100兆ウォンを超えた
  • 営業利益: 83.3兆ウォン。前の四半期から+38%、前年同期から+632%
  • 営業利益率: 80%。前の四半期は76%、前年同期は47%
  • 純利益: 39.8兆ウォン。前の四半期の93.9兆ウォンから-58%
  • 手元の現金: 114.5兆ウォンで、前の四半期末から26.5兆ウォン増。借入は15.8兆ウォンに減り、差し引きの現金は98.7兆ウォン

DRAMはサーバー向けのDDR5が大きく伸び、HBM4の出荷が本格的に始まりました。NANDでは321層のデータセンター向けSSDの販売が伸びています。

SKハイニックスの売上と営業利益率四半期ごと。2026年1〜3月は1〜6月の売上から4〜6月を引いて出した0兆50兆100兆24.4兆ウォン営業利益率 47%2025年7〜9月52.6兆ウォン営業利益率 71%2026年1〜3月79.3兆ウォン営業利益率 76%4〜6月104.6兆ウォン営業利益率 80%7〜9月出所: SKハイニックス 決算発表(2026年10月)、半期報告(6-K)

キオクシアの会社予想と並べる

項目 SKハイニックス 7〜9月 キオクシア 7〜9月の会社予想
売上 前の四半期比 +32% +35.2%
営業利益率 80% 79.5%
前の四半期の営業利益率 76% 75.0%
前の四半期から7〜9月へ、営業利益率キオクシアはNon-GAAP。SKハイニックスは韓国の会計基準で、定義はそろっていない70%75%80%4〜6月(実績)7〜9月SKハイニックス 76%80%(実績)キオクシア 75%79.5%(会社予想)出所: SKハイニックス 決算発表、キオクシアHD 決算説明会資料(2026年7月)

キオクシアの営業利益率はNon-GAAPです。SKハイニックスは韓国の会計基準(K-IFRS)の営業利益なので、定義はそろっていません。それでも、前の四半期の75〜76%から80%前後に上がる、という形は同じです。

SKハイニックスは実際に80%を出しました。キオクシアの79.5%は、メモリの値上がりの中では外れた数字ではありません。

ただし中身は違います。SKハイニックスの伸びを引っ張ったのはDRAMとHBMで、NANDは「データセンター向けが伸びた」としか書いていません。キオクシアはNANDだけの会社です。NANDだけの数字は、キオクシアと同じ工場を使う米国のサンディスクが、日本時間の10月30日の朝に先に出します。サンディスクの7〜9月の会社予想は、前の四半期から+14.9〜20.5%でした。

足りない状態は2030年まで続く、と言っている

決算の発表文で一番強い言葉は、供給の見通しです。SKハイニックスは、最先端の工程の難しさと新しい工場を建てる時間の長さから、需要が供給を上回る状態が2030年まで続くと見ています。

そのうえで、顧客との長期契約を広げました。

  • 大手クラウドを含む14社と長期契約を結んでいる。契約期間は普通5年で、さらに延ばす話もしている
  • 2027年と2028年の生産能力の50%以上を、長期契約で押さえた
  • 値段は、顧客と合意した幅の中で市況を映す仕組みにした

キオクシアも同じ方向にいます。7月の決算説明会の質疑で、2028年の出荷量の約50%を長期契約で埋める方向で進めていると答えていました。値段が下がる局面での条件は開示されていません。SKハイニックスの「合意した幅の中で動く」という形が、キオクシアの契約にもあるのか。10月30日の説明会で確かめたいところです。

純利益は、キオクシアの株価と一緒に動いた

営業利益が+38%なのに、純利益は-58%でした。会社は発表文で理由を書いていません。

営業利益は増えて、純利益は減った単位は兆ウォン。純利益の差の理由は発表文に無い0兆50兆100兆営業利益純利益60.5兆93.9兆2026年4〜6月83.3兆39.8兆7〜9月キオクシアの株価: 6月22日の高値37,567円 → 10月23日の終値12,755円(-66%)出所: SKハイニックス 決算発表(2026年10月)、株価は株探

前の四半期を見ると、逆のことが起きています。4〜6月は営業利益60.5兆ウォンに対して、純利益が93.9兆ウォン。営業利益より大きい純利益です。SECに出した半期報告では、2026年1〜6月に金融商品の評価益を63.2兆ウォン計上しています。

SKハイニックスは、ベイン・キャピタルが組んだ投資会社を通じて、キオクシアに出資してきた会社です。半期報告に載っている監査の記録では、キオクシアへの投資の公正価値の評価が、監査で特に重要な項目に挙げられています。そして今回の発表文には、「今年キオクシアへの投資で実現した利益の大半を株主に返す」とあり、7〜9月の配当1株2万ウォンのうち半分の1万ウォンが、その特別配当です。

キオクシアの株価は6月22日に高値37,567円を付けて、10月23日の終値は12,755円でした。66%の下げです。評価益の大きな部分がキオクシアの株なら、4〜6月の純利益の膨らみと、7〜9月の純利益の落ち込みは、キオクシアの株価の上げ下げをそのまま映したことになります。ただ、評価益の内訳はどの資料にも出ていないので、ここは私の推測です。

確かなのは、SKハイニックスが今年、キオクシアへの投資で利益を確定させたことです。キオクシアの記事では、大株主の東芝とベインの投資会社が売る側にいると書きました。SKハイニックスはその売る側の1社でした。全部を売り切ったのかどうかは、資料からは分かりません。

キオクシアの株価は、今日13.8%上げた

SKハイニックスの決算が出た10月28日、キオクシアの終値は14,340円で、前の日の12,605円から+13.8%でした。決算の前に、同業の数字で期待が先に乗った形です。

キオクシアの記事に書いた見立ては変えません。7〜9月は売上2兆3,500億円、Non-GAAP営業利益1兆8,650億円。株価は、11月2日の終値が10月30日の終値を上回ると見ています。10〜12月の売上予想が2兆5,000億円を下回ったら、逆に下げると見ます。

今日の上げで、10月30日の終値の水準そのものが上がりました。決算でそれ以上の数字が要る、ということです。SKハイニックスの決算は、キオクシアの7〜9月が会社予想どおりに出る可能性を高めましたが、次の四半期の見通しまでは教えてくれません。

次に見る所

  • 10月30日の朝(日本時間)のサンディスクの決算。NANDだけの7〜9月の数字と、10〜12月の見通し
  • 10月30日18時45分のキオクシアの決算。10〜12月の売上予想が2兆5,000億円を超えるか、長期契約の値段の決め方が説明されるか
  • SKハイニックスが今もキオクシア株を持っているか。次の四半期報告で、投資の評価の内訳が出るか

使った資料

キオクシアの株価は、6月22日の高値は前の記事のとおり分割後の換算です。

この会社は半導体の地図の「メモリ」にいます。