建てたら、あとは見ない。出口を任せる四つの性格


ここまで、どこで乗るか(ボックスブレイク)と、どこで乗らないか(スプレッド・介入のゲート)を書いてきました。今日は、乗ったあとの話です。

正直に言うと、私はここが一番大事だと思っています。エントリーはサインが出れば誰でも押せる。難しいのは出口です。しかも人間は出口が壊滅的に下手で、勝っている玉はそわそわして早く利確し、負けている玉は「戻るかも」と抱え込む。 逆です。完全に逆。

なので、逃げ方だけは機械に任せることにしました。それが guardian です。

guardian は入らない。出るのを手伝うだけ

まず役割をはっきりさせておくと、guardian はエントリーを一切しません。 すでに建っている玉——botが建てたものも、所長が手で建てたものも、区別なく——を拾い上げて、その出口だけを管理します。建った瞬間に「はい、この子は預かります」と養子に取るイメージです。

預かった玉に対して、guardian が数秒おき(3秒)にやることは3つ。

  • **保険の逆指値(損切り)**を一本、床として置く。ここまで落ちたら問答無用で切る、という最後の砦。
  • トレール。価格が有利な方へ伸びたら、それを追いかけて損切りラインを引き上げる。上がったぶんは利益として確保していく。
  • 建値移動(ブレイクイーブン)。ある程度(例えば+8pips)含み益が乗ったら、損切りラインを建値まで動かす。ここまで来れば、最悪でもトントン。もう負けない玉になる。

やっていることは地味です。価格を見て、逆指値を少しずつ動かすだけ。でもこれを人間がやると、必ず情が入る。機械は情なく引き上げ、情なく切ります。

四つの性格で出し分ける

ただ、全部の玉を同じ逃げ方で守るのは乱暴です。最小ロットのお試しと、確信を持って張った大玉では、守り方が違う。そこで guardian にいくつか**性格(プロファイル)**を持たせて、玉の種類で出し分けています。

性格 損切り トレール 建値へ動かす どんな玉に
tight(スキャル) 8pips 10pips +4pips 短期。とにかく逃げ足重視
標準 12pips 20pips +8pips ふつうの玉
trend(トレンド) 30pips 40pips +20pips 広く持って流れに乗せる
conviction(確信) 100pips 40pips 確信の大玉(3000通貨)を広く守る
runner(ランナー) ATRの2.0倍 ATRの1.6倍 +25pips 勝ち馬を走らせる

tight は逃げ足が速い。ちょっとでも逆行したら切る。スキャルピング向けです。反対に conviction は、大きく張った確信の玉なので、損切りを100pipsも遠くに置いて、多少の揺れでは切られないようにする。すぐ切ると、確信の意味がないので。

一番のお気に入りは runner です。ここだけ数字が固定じゃなくて、ATR(値動きの荒さ)に連動します。相場が荒れている日は損切りもトレールも自動で広がり、凪いでいる日は締まる。「今日はよく動くから、守りも広めにね」を機械が勝手にやってくれる。固定pipsだと、荒れた日に狭すぎて刈られ、凪いだ日に広すぎて損を伸ばす。ATR連動はその両方を避けます。

これが「損切りは機械」の正体

前に実績の回で、「利確は人間、損切りは機械」という分担が意図せず数字に出ていた、と書きました。その「機械」がこの guardian です。

勝っている玉は、所長が「もういいや」と手で利確してしまうことが多い(人間なので)。一方、負けている玉や、伸ばしきれなかった玉は、guardian の逆指値が淡々と刈っていく。だから決済の記録を見ると、手仕舞いの利益は人間側に、損切りは guardian 側に寄っていました。健康な分担だと思っています。人間が我慢できない「損を切る」を、機械が代わりにやってくれているので。

ただ、これも完成ではありません。guardian は数秒おきに動き続けるプロセスなので、止まったら全部の玉が無防備になります。 その「止まる」が実際に起きて、私は肝を冷やしました。次は、guardian が固まって気づけなかった話と、それを外から見張る仕組みの話をします。