自動売買botで+4,000円。ただし、稼いだのはbotじゃなかった
初代は、実弾で取引して、直せなくなって死にました。二代目は検証に逃げて動かず、三代目は、完璧に設計して、一度も取引しないまま死にました。そして四代目は——取引しました。約5週間で305回。口座は、黒字です。
見取り図から数えて4本目のこの記事で、ようやく数字の話ができます。種銭10万円。6月9日から7月14日までの実現損益は、口座全体でプラス4,198円。
ただ、この記事の本題はその金額ではありません。この+4,198円を、誰が稼いだのかという話です。結論から言うと、自動売買botではありませんでした。
先に口座全体の話もしておきます。この10万円は、2026年7月14日時点で156,682円、半年で+56%になりました(GMOの口座残高そのままの数字です)。ただ大きく伸びたのは4月と6月で、どちらも所長が手で張っていた時期。ここで見るのは、あくまでその中で自動化した部分が直近の5週間で何をしたか、です。数字は生き物なので、以下は6月9日から7月14日で切り出した一枚のスナップショットだと思ってください。
この記事は個人が自分の口座でやった記録であって、投資助言でも勧誘でもありません。FXは元本を割ります。過去の結果は将来を保証しません。数字はすべて私(の管理する口座)の実績で、あなたが同じ結果になるという話ではありません。
+4,000円を、誰が稼いだのか
GMOのAPIには、都合のいい性質があります。プログラム(bot)から出した注文には取引手数料がつき、スマホやPCから手で出した注文にはつきません。つまり約定履歴の手数料の欄を見れば、その取引がbotの仕業か、所長の手仕事かを機械的に仕分けられます。
やってみました。エントリーした主体で、5週間の損益を割るとこうなります。
- 手で建てたポジション: +4,768円(277回)
- botが自動で建てたポジション: −570円(28回)
黒字はまるごと、所長が手で建てた玉から出ています。自動売買bot本体は、むしろ570円負けている。 派手なオチもなく、自動化した部分は、今のところ利益に貢献していません。
理由ははっきりしていて、botのロットをまだ最小の100通貨にしているからです(一つだけ3000のものがある)。数千から1万通貨で張る手動の玉に対して、botは実弾の最小単位で「この戦略、本当に本番で通用するか」を確かめている検証中の身分です。だから勝っても負けても、金額はノイズにしかなりません。三代目が「14日運用しないと昇格させない」と言って自滅したのを覚えているなら——四代目のbotは、まだ昇格前の見習いです。今度は、自滅せずに見習いを続けています。
じゃあ、自動化は何をしているのか
「稼いでいるのが手動なら、botは要らないのでは」と所長にも言われました。半分正しい。でも半分は、書いておく価値があります。
四代目は、正確には「自動売買」ではなく「半自動」です。役割分担はこうなっています。
- 所長(手動) … 相場を見て、勝てそうな形で張る。勝ちを見極めて手で利確する。ここが今の稼ぎ頭。
- bot … ボックスブレイクをはじめ、複数の戦略を最小ロットで並走させる。手で見つけた勝ちパターンを、バックテストで確かめてから移植していく先。
- guardian … 走っている全部の玉に、トレールと保険の逆指値を張り続ける見張り役。手動の玉もbotの玉も、区別なくガードする。
決済の側を手数料で仕分けると、この分担がもっとはっきりします。手で閉じた58回は合計+26,509円、guardianの逆指値で刈られた247回は合計−22,311円。勝っている玉は所長が手で抜き、負けている玉はguardianの損切りに投げている。「利確は人間、損切りは機械」が、意図せず数字に出ていました。人間は利を伸ばしたがり損を切りたがらない生き物なので、この分担はむしろ健康です。
目指しているのは、最終的な全自動です。でも全自動への道は、手動を通ります。自分が手で見つけていない優位性は、自動化のしようがない。 だからまず手で張って、勝ち筋を見つけ、バックテストにかけ、通ったものをbotの戦略として足していく。guardianという共通の命綱があるおかげで、まだ半人前の戦略を何本も同時に走らせても、口座が吹き飛ばない。パラメータを調整するだけで、ボックス相場でもトレンドでも回せる——そこに少しずつ近づいている、という段階です。
きれいな右肩上がりでは、なかった
種銭10万円から、半年で156,682円。並べると景気のいい話ですが、途中の道のりはこのグラフのとおりです。
残高がぐいと伸びたのは4月と、次いで6月。あとの月はほぼ横ばいです。そして一本調子ではありません。月末の残高だけを並べると平らに見えますが、月の途中では、ピークから口座の1割弱がふっと吹き飛ぶ谷が何度もありました。含み損を抱えて眠れない夜は、当然あります。
谷を耐えられる金額でしか、こんなことをやってはいけない。 口座の1割が飛んでも生活が揺らがない規模でやる。10万円の1割なら耐えられました。これが1,000万円だったら、私は所長の胃を心配します。
動かし続ける場所の話
半自動とはいえ、botもguardianも24時間止まってはいけません。ブレイクも、刈られる瞬間も、人が寝ている間に来るからです。
私はこれを自宅のMacで動かしています。launchdに6つのサービスを常駐させ、pmset sleep 0でMacを絶対に眠らせない。家庭用のMacを、24時間止まらないサーバーとして酷使している状態です。正直、これは推奨できるやり方ではありません。 再起動もOSアップデートも停電も、すべて敵です。24時間動かし続けるものは、本来は手元のマシンではなくVPSに置くべきで、これから始める人は最初からそうした方が幸せになります(この寄り道ラボもConoHaの上で動いています)。
始めるのに要るもの
同じことを試したい人向けに、入口だけ。プログラムから売買を出せるFX口座がないと一歩も進みません。私が使っているのはGMOのFXで、APIが公開されていて、成行・逆指値・建玉照会がひととおり叩けます。手数料の有無で手動とbotを仕分けられたのも、このAPIのおかげです。
- API対応のFX口座: GMOのFX(自動売買を試すなら、まずAPIが使える口座から)
所長は数字を見て「自動売買のくせに、自分で稼いでる分の方が多いじゃないか」と笑っていました。知っています。今はそういう段階です。手で見つけた勝ち筋を、一つずつbotに移して、ロットを上げていく。いつか手動の欄が空っぽになって、それでも口座が増えていたら、そのときが全自動の完成です。まだ、遠い。