寄り道ラボ

盆栽の記録

真柏

真柏の挿し木。盆栽園で買った木を剪定して出た枝を、8月に30本挿した

2026年9月10日


盆栽園で枝がぼうぼうの真柏を買ってきて、整えるために切った枝を挿しました。 2026年8月中旬、10cmほどの挿し穂を30本ほど。直径15cmのプラスチックポット3つに赤玉土だけを入れて、10本ずつ。

真柏は挿し木がつきます。黒松や赤松はまったくつかないので、素材を自分で作るなら種をまくか接ぎ木をするしかありません。真柏はそこが違って、切った枝がそのまま次の素材になります。 買った木を整えた副産物が30本の素材になる、というのがこの記録の出発点です。

この記事は結果が出ていません。 挿してから1ヶ月、まだ枯れた様子はありませんが、それは何の情報でもありません。理由は下に書きます。

10月上旬に経過を追記しました。 10本ほどが枯れ、3本で根を確認しています。記事の後半にまとめました。

やったこと

項目 内容
時期 2026年8月中旬
樹種 真柏
挿し穂 盆栽園で買った木を剪定して出た枝。長さ10cmほど
本数 1ポットに10本程度 × 3ポット、あわせて30本程度
鉢 直径15cmのプラスチックポット
用土 赤玉土
発根促進剤 粉状のものを切り口に付けてから挿した
置き場所 日陰

8月は定番の時期ではない

真柏の挿し木は、3月の芽が動く前か、6月から7月の梅雨どきに挿すのが定番です。8月中旬は、梅雨挿しに遅れて秋挿しには早い、谷間にあたります。

盛夏に挿すと何が起きるか。挿し穂には根がないので水を吸えません。それなのに気温が高くて葉から水が出ていく。発根する前に消耗して枯れるのが、この時期の失敗のしかたです。

日陰に置いたのは、その意味で正しい手当てでした。所長は「誰かに聞いた、YouTubeだったかもしれない」と言っています。出どころはあやふやですが、中身は合っています。

粉の発根促進剤も付けています。発根までの日数が縮まれば、そのぶん消耗する前に根が出る。時期の不利をいくらか埋める手ではあります。ただしこれは発根を早める薬で、枯れるのを止める薬ではありません。 日陰と水のほうが効いているはずです。

ただしこれは、時期を選んで挿したわけではありません。買った木を整えるのが先にあって、出た枝をどうするかが後から来た。剪定の都合で決まった8月です。

1ヶ月で分かること、分からないこと

枯れていないのは、まだ何の情報でもありません。 挿し穂は根が出ていなくても、体内に残った水分でしばらく緑を保ちます。数ヶ月そのままのこともある。緑だから成功、とは言えません。

いま壊さずに見られるのは、ポットの底穴です。白い根が覗いていれば発根が確定します。

抜いて確かめるのはしません。 出かけた根は動かすとちぎれます。挿し木でいちばんやってはいけないのがこれです。

元の木で結果の半分が決まっている

挿し木は種と違って、元の木のクローンです。葉性も枝の出方も、切ってきた木のものがそのまま出ます。真柏は個体差の大きい樹なので、素材の質は挿した時点で決まっていることになります。

盆栽園で「枝がぼうぼうの木」として選んだ1本が、30本の親です。安い木を整えたら素材が30本増えた、という話でもあり、その30本の上限は親の木で決まっている、という話でもあります。

いつ何を見るか

時期 見るもの
2026年9月下旬 ポットの底穴。白い根が見えるか
2026年10月 根が見えていれば、1〜2週かけて日陰から半日陰、日向へ戻す。見えていなければ動かさない
2026年12月〜2027年2月 凍らせない場所へ。根が浅いので、霜柱で持ち上がると終わる
2027年3月〜4月 新芽が動くか。ここが決定的。 動いた本数を数える
2027年春 動いたものを1本ずつポットに上げる。そのとき根が見える

期待していることを書いておきます。

  • 30本のうち、いくらかは根が出る。真柏はつきやすい樹種なので、全滅は考えにくい
  • ただし定番の時期を外しているぶん、梅雨挿しより成功率は落ちる
  • 発根は年内に出るものと、越冬して春に動くものが混ざる

3つとも外れたら、それはそれで書きます。

10月上旬、枯れた10本と根が出ていた3本

挿してから2ヶ月が経ちました。

茶色くなった挿し穂が10本ほど出ました。 所長が抜いてみると、根はありませんでした。発根する前に力尽きたもので、8月に挿したときに心配していた失敗のしかたそのものです。茶色くなったら戻りません。残しておくと鉢の中で腐り、カビが周りの生きている穂に移るので、抜いて正解です。

緑のものも何本か、所長が慎重に抜いてみました。 そのうち3本に根が出ていました。確認したあとは、そっと元の穴に戻しています。

上に「抜いて確かめるのはしません」と書きましたが、実際には抜いています。3本は根が出ていたので結果的には分かりましたが、出たばかりの根は抜くときにちぎれやすい。戻した3本がこのあと弱らないかは、別に見ておく必要があります。これ以上は抜きません。

状態 本数 分かったこと
茶色くなった 10本ほど 根なし。枯れ
抜いて根を確認した 3本 発根済み。元に戻した
緑のまま(抜いていない) 残り17本ほど 分からない。葉先が少し伸びているものもある

緑の17本ほどは、まだ何とも言えません。上に書いたとおり、挿し穂は根が無くても緑を保つからです。ただ、葉先が少し伸びているものがあります。根の無い穂は、残った水分で緑を保てても、新しく伸びる力はほとんどありません。伸びているものは、根が出ている見込みが高いと見ています。

9月の予想はどうなったか

9月に書いた予想3つの、今のところの結果です。

  • 全滅は考えにくい → 当たり。3本は根が確定した
  • 定番の時期より成功率は落ちる → まだ判定できない。2ヶ月で3分の1が枯れたのは多いが、比べる梅雨挿しをやっていない
  • 年内に根が出るものと、春に動くものが混ざる → 年内組は少なくとも3本いる。春組がいるかは来春

これからの扱い

冬はこのまま越させます。 根が出た3本も、今は1本ずつに分けません。根がまだ細く少ないので、冬の前にいじると張り直す時間がないまま寒さに当たります。分けるのは来春です。

  • 日陰から、午前中だけ日が当たる場所へ少しずつ移す
  • 真冬は軒下へ。霜柱で土が持ち上がると、浅い根が切れる
  • 水は回数を減らしても、土を乾き切らせない
  • 肥料はやらない
  • 茶色くなったものが出たら、その都度抜く

追記予定

経過が出るたびに追記します。結果が分かるのは来春の新芽で、数えるのは30本のうち何本が動いたかです。今の内訳は、枯れ10本ほど、発根3本、未確定17本ほど。春に見るのは、この17本から何本が動くかです。