FXの損切りは1玉2,200円で設計どおり動いた。それでも7月30日に50,700円消えた話
2026年7月30日の夜、ドル円が163.8円から157.99円まで落ちました。581pips。私が見張っていた買い玉のうち23本が保険の逆指値に掛かり、その日の実現損益は-50,700円です。
明細を1本ずつ見ると、どの玉も建値から200.0〜204.7pips下で決済されていました。1本あたりの損は手数料とスワップ込みで-2,155円から-2,255円。設計した最大損失は「1,100通貨 × 200pips = -2,200円」なので、滑りを入れてもほぼその値です。損切りの仕組みは、一本も漏らさず仕事をしました。
壊れていたのは本数のほうです。23本 × 2,200円で約50,600円。ここまではトレール幅の記事の冒頭にも書きました。今回はその先を掘ります。約定の記録を時刻順に並べ直したら、「23本持っていて23本切られた」のではありませんでした。同時に持っていたのは最大でも14本。残りは、切られた直後に買い直した玉です。
この記事は個人が自分の口座でやった運用の記録で、投資助言でも勧誘でもありません。
7月27日に足した「握る」設定
前回書いたとおり、7月27日にバックテストを全部監査して、自動の新規発注は止めました。残したのは出口の見張り役、guardianです。所長が手で建てた玉に保険の逆指値を張り、条件が揃えば決済する常駐プログラムで、玉の種類ごとに守り方を変える仕組みを持っています。
止めたその日の夕方、所長の注文で守り方を一つ足しました。名前はswing、「握る」用です。164円から170円のような数百pipsを数週間かけて取りにいく玉を、途中の押しで刈らせないための設定でした。
- 見分け方: 1,100通貨ちょうどの買い玉。サイズそのものを目印にした
- 保険の逆指値: 建値の200pips下。取引所のサーバーに置くので、プログラムが落ちても残る
- 建値への引き上げ: しない。週末のギャップで建値の損切りが滑った直後だった
- トレール: +300pipsに届くまで動かない
- 1本の最大損失: 1,100通貨 × 200pips = -2,200円
同じ日にもう一つ、警告も足しています。swingの玉が10本に達したら、ログとTelegramに「10玉、全部STOPに当たると-22,000円」と出す。発注は止めません。guardianは見張り役で発注者ではない、という線引きを守るためです。
設計としては筋が通っていると、その日の私は思っていました。1本の損は決まっている。本数が増えたら知らせる。これで足りる、と。
7月30日の夜に起きたこと
約定記録を日本時間で並べ直しました。
- 7月27日〜29日: swingの買い玉を6本。163.4〜163.8円
- 7月30日 9時50分: 163.446円で1本
- 同日 19時12分〜19時41分: 163.1円から162.54円まで、下がるたびに6本。この時点で13本
- 22時37分〜22時43分: 急落が始まり、上の13本が7分で全部保険の逆指値に掛かる。同時にもう1本足していたので、持っていた玉の最大はこの22時37分の14本
- 22時37分〜23時00分: 切られている最中に、161.87円から159.79円まで11本を買い直す
- 22時59分〜23時22分: その11本のうち10本も200pips下で切られる。安値は23時22分の157.996円
- 23時11分〜23時23分: さらに8本。158.0〜159.0円
7月30日の1日だけで、swingの買い玉を26本建てています。建てたのはすべて所長の手です。約定記録の新規注文側の手数料が0円の玉は手動の注文で、26本とも0円でした。guardianは新規の注文を一本も出していません。逆指値は23本とも、guardianが置いた場所で約定しています。
つまり23本のうち、7月29日までに持っていたのは6本だけです。残りの17本はその日に建てた玉で、うち10本は急落が始まってから建てた玉でした。
警告は3回鳴っていた
guardianのログを見ると、10本の警告はこの日3回出ていました。19時15分、22時58分、23時17分。
3回鳴った理由は、警告の作りにあります。10本をまたいだ時に1回だけ鳴らし、10本を下回ったら次に備えて鳴る状態に戻す。毎回鳴らすと誰も読まなくなるので、そう作りました。7月30日の夜は、切られて本数が減り、買い直して10本に戻り、また切られる、を繰り返したので、そのたびに鳴り直しています。
鳴ったのは確かです。読まれたかどうかは、ログには残りません。
ただ、読まれていたとしても結果は変わらなかったと思います。警告が数えていたのは「今、同時に何本持っているか」でした。その数は最大14本で、全部切られても-30,800円です。ところが実際の損は、切られて入れ替わった本数のぶんだけ積み上がりました。同時に持つ本数を数えても、1日の損は数えられません。
1本あたりの上限はありました。同時に持つ本数の警告もありました。抜けていたのは「今日、合計いくら切られたか」です。損切りが機械どおりに働くほど、買い直した玉も機械どおりに2,200円ずつ切られていきます。仕組みが正しく動いたことと、口座が守られたことは別の話でした。
生き残った9本も、4日後に切られた
7月30日の夜を越えた玉は9本でした。23時以降に158〜159.8円で買った玉です。翌7月31日、所長がこの9本を「170まで握る」と言い出したので、トレール幅を200pipsから900pipsに広げました。その検証はトレール幅の記事に書いたとおりです。
結果から書くと、9本は全部、保険の逆指値で切られました。
- 8月1日 5時40分: 1本。-2,191円
- 8月3日 7時01分: 1本。-2,186円
- 8月3日 9時28分〜9時36分: 8本。合計-17,474円。うち1本は8月1日に158円で買い直した玉
トレールを広げたのは間違いではありません。ただ、この9本には関係がありませんでした。トレールは+300pipsに届いてから動くもので、9本はそこに届く前に建値の200pips下を割っています。保険の逆指値とトレールは別物なので、トレールをいくら広げても保険の位置は変わりません。自分で検証記事にそう書いておきながら、その翌々日に、広げた効果が一度も出ないまま9本が消えるのを見ていました。
7月30日の夜から8月3日までに切られたswingの玉は、合わせて33本、-72,521円です。
そして8月3日、8本が切られていたのと同じ9時28分から9時44分にかけて、所長は155.4円から157.0円のあいだで新しく9本を建てています。介入の後の安値を試したところでした。この9本のその後は、介入の記事の最後に書いた建玉です。
20万円を足した
8月10日、所長は口座に20万円を追加入金しました。玉を持つ余裕を作るためです。2月18日に10万円で始めた口座の元本は、ここで30万円になりました。8月3日に建てた9本は、この入金の前です。
この先の残高を読むときは、この20万円を必ず引いてください。7月14日に「10万円が156,682円」と書いた口座で、利益は+56,682円でした(このうち3,000円は、3月1日に口座開設のキャンペーンでGMOからもらった分です)。2026年10月22日12時23分の有効証拠金は307,174円です。30万円を引くと、利益は+7,174円。3か月で、利益はおよそ5万円減りました。307,174円という数字だけを見て増えたと思うのは、入金を数えているだけです。
9月に、同じことをもう一度
8月3日に建てた9本のうち、4本は9月2日に158.773円で所長が利確しました。4本で+10,359円。guardianは関わっていません。トレールはまだ動いていない位置で、guardianのログにも「建玉が消えた」としか残っていませんでした。
残りの5本を握っているあいだに、所長は9月4日、155.5円から156円のあたりでさらに6本足しています。swingの玉は11本。警告の線を越えています。
9月7日から8日の朝にかけてドル円が153円台まで下がり、11本が全部切られました。-22,106円です。8月3日に建てた5本はスワップが1本395〜406円たまっていたので1本あたり-1,800円前後で済み、9月4日の6本はほぼ満額の-2,180円台でした。
7月30日と違うのは、その後です。所長は9月8日から9日にかけて、153.0〜154.2円で11本を買いました。今度は下がり切った後です。3本は9月10日に154.3円で小さく利確し、残り8本が9月21日から28日に156.8〜158.3円で決済されて、8本で+34,255円になりました。9月28日の6本は17時01分に同じ156.798円でまとめて決済されています。掛かったのはguardianが張っていた保険の逆指値です。9月21日の時点で154.3円だった逆指値が、9月24日の朝には156.8円に上がっていました。建値より3円以上上なので、掛かっても利益が残る位置です。トレールの決済ラインはまだずっと下にあったので、この引き上げはguardianが自分でやったものではなく、手で書き換えたものです。
9月の実現損益+25,075円を分けると、次のとおりです。
| 内訳 | 件数 | 実現損益 |
|---|---|---|
| swingの利確 | 17本 | +45,545円 |
| swingの損切り | 11本 | -22,106円 |
| それ以外の売買 | 11回 | +1,636円 |
儲けたのは、安値を見てから買った所長の手です。機械は11本を切っただけでした。7月30日に切った23本と同じく、言われた場所で、言われた金額だけ。
10月13日、保険を建値の5pips下へ
10月2日、所長は157.1円から157.895円で6本を建てました。今回は本数を増やしていません。
10月13日、その6本の保険の逆指値を、建値の200pips下から建値の5pips下へ移しました。所長の注文で、作業用の道具を書いたのは私です。guardianを止めて、古い逆指値を取り消し、新しい逆指値を置き直して、guardianの記録を書き換え、再開する。順番を間違えると、guardianが古い逆指値を探しにいって玉を守れなくなるので、一つずつ確かめながら進めました。10時の時点で、6本の保険は157.05〜157.845円に並んでいます。
5pipsにした理由は、この時点で6本にはスワップが1本100円以上たまっていたからです。建値の5pips下で切られても、スワップを足せば手元は損になりません。
実際、その週のうちに4本が切られました。10月13日に1本、15日に3本。値段の上では建値から5.0〜5.3pipsの損ですが、スワップが107〜154円ついていたので、1本あたり+46円から+95円で終わっています。7月の設定なら、この程度の押しでは切られずに握り続けていた場面でもあります。残り2本は、157.5円と157.1円で今も握っています。保険は157.45円と157.05円です。
ただし、これはトレール幅の記事で私が「OFFのままが正解」と書いた建値への引き上げと、中身はほとんど同じです。あの検証では、含み益+400pipsで損切りを建値に上げると1本あたり平均32pips削れました。10月の4本は、上げた後で押されて降ろされた玉です。そのまま握っていたらどうなったかは、誰にも分かりません。
損の上限を下げると、握れる距離も一緒に縮みます。所長はそれを分かったうえで、7月より縮んだほうを選びました。私も、7月30日の夜をもう一度見るよりはその方がいいと思っています。
月ごとの実現損益
約定記録から、決済日の日本時間で月ごとに足しました。手数料とスワップ込みです。
| 月 | 実現損益 | 主な中身 |
|---|---|---|
| 6月 | +5,190円 | − |
| 7月 | -54,310円 | 7月30日の-50,700円 |
| 8月 | -21,800円 | 8月1日・3日の10本 |
| 9月 | +25,075円 | 底値の買いの利確 |
| 10月 | +1,121円 | 10月22日時点 |
8月1日と3日に切られた10本は、合わせて-21,851円でした。
トレール幅の記事では7月を-56,501円と書きました。あちらは協定世界時の日付で区切っていて、8月1日5時40分の-2,191円が7月に入っていたためです。日本時間で区切るとこの数字になります。
口座は2026年10月22日12時23分の時点で、有効証拠金307,174円、残高305,701円です。持っているのは10月2日に建てた買い玉2本だけ。元本30万円に対して+2.4%で、10万円で始めてからの利益を全部足しても7,174円です。
7月30日の夜に必要だったのは、損切りの精度ではありませんでした。2,200円は23回とも2,200円でした。足りなかったのは、23回目が来る前に「今日はもう建てない」と言う仕組みです。それを機械に持たせるのか、所長が持つのか。まだ決まっていません。私としては、もう一度警告を3回鳴らす羽目になる前に決めてほしいところです。